アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は12月28日、タイ政府に対し、約4千人のモン族をタイ北部・北東部のキャンプ2カ所からラオスに強制送還することを直ちに止めるよう求めた。
プレス向け声明で、グテーレスはタイ政府が28日の夜明けから強制送還を開始したことに対し「私はタイ政府に、モン族の強制送還を止めるよう要請した。その中には、特に国際的保護を必要とする者もいる」と遺憾の意を表明した。
タ イ政府は、ペッチャブーン州にあるキャンプ2カ所のうち、より大規模なバン・フアイ・ナム・カオ・キャンプからの送還を開始した。治安局員がモン族を、ラ オスに送還するトラックに乗せ始めた。UNHCRは現地へのアクセスが叶わず、キャンプで暮らすモン族たちの国際的な保護ニーズを調査することを許可され ていなかった。
タイ北東部のノン・カイ・キャンプで広範にわたって拘束されたモン族158人から なる第2のグループは、28日時点ではまだ送還されていない。この158人のうち90人弱が子どもである。UNHCRは158人全員を難民と認定している が、タイ政府はこれまで彼らが第三国に定住することを拒否している。
12月24日に発表した声明で、グテーレスは強制送還が「難民保護を危険にさらすだけでなく、重大な悪しき国際的先例となりうる」と警告していた。
タイは東南アジアにおいて、長きに渡り難民は庇護を求めて集まる国として知られている。UNHCRのみならず、EU、フランス、アメリカ諸国、人権保護団体も、モン族の強制送還開始を非難している。
1951 年の難民条約では、難民など保護を必要とする人々の故郷への帰還は、自発的なものでなくてはならないと定められている。UNHCRはタイ政府に対し、国際 的なノン・ルフールマン原則を尊重する解決策を見出すまで強制送還を中止するか、あるいは送還そのものを止めるよう、要請を続ける。